Quantcast
Channel: リハビリ人間のよろずブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 99

二神孝一 、堀敬一 共著『マクロ経済学 第2版』を読んで

$
0
0

成長理論を読んでの感想

ソローモデルにおいて人口成長率は外生変数だが、技術進歩率が内生変数としてその究明に研究が盛んに行われているように、表現が間違っているかもしれないが内生変数?として扱い人口増加の研究をしていく必要があると思う。

 

資本の増加は自国民の人口増加率の減少に相関がある可能性があるのでソローモデルが有効に機能しないかもしれない。実際に資本が豊富であるが出生率が低迷している先進国の中で定常点に達したと見られるような国家では、更なる成長のために移民政策を導入して人口成長率をプラスにして、資本の増加を促し(定常状態において人口成長率の増加=資本ストック成長率の増加)、GDPの増加を図っているように考えることも出来る。

 

しかし経済成長を意図した移民政策は国内で分断が深刻化を促し、盛んにその政策を採ってきたEUにおいては抜本的な見直しの機運が高まっている。学際的な研究になると思うが、人口成長率の内生化によって人口成長の理論化を実現することは、このような分断の抑制に繋がるだけでなく、人口成長率の鈍化が進む今後の世界全体の人口政策に必須なのではないかと思うのである。

 

本筋からそれるが、日本においてもますますの移民政策を採ることは必須であろうが、従来のやり方では分断を産むだけだろう。彼らを安価な労働力としてしかみなしていない不埒な国民もいるからである。そのような差別感情は、国家全体のイメージが著しく低下するなど将来、手痛いしっぺ返しを食らうのは間違いない。日本人の差別感情によって朝鮮半島の人々が抱いた怨嗟が統一協会のようなカルト団体を生み出し、現在の日本人にとっての厄災になっているのは言うまでもない。

 

安倍晋三が自らに対する刹那的な支持を求めるため、将来のビジョンのない愛国心を煽ったことは、体系的で計画的な移民政策を採用することを難しくした。そのため国は将来において確実に(これは今の科学技術水準が一定だと仮定すると確実であると強調しておく)移民をますます増やす政策を採るだろうが、なし崩し的な導入に陥らざるを得ないだろう。地域住民の理解がない移民政策は、確執を産むことは必須である。

 

とにかく人口成長に対する有効な理論がない中、人権主義を採用する法治国家において、人口を増やす最も最適な手段は移民であり、現在の政策論議から外すことはできない。

 

そうした中で日本政府のみならず、欧米諸国においても、今必要なのは従来採ってきた移民政策のタブーなきフィードバックだろう。そこで勇気を持ち、単なる権力から与えられた楽観的リベラル的理想論から抜け出さないと、最終的に大きな悲劇が産まれることになるかもしれない。

 

SNS社会の現在、我々の多くは言葉の力をいい意味でも悪い意味でもその強さを痛感しているかもしれない。そのような現状において、多くの市民が熟慮を重ね慎重に社会問題に向き合い発言していくことが重要だろう。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 99

Trending Articles