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能登地震発生から7か月

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 今年は時間がたつのが本当に異様に早く感じるのですが、元日に発生した能登半島を襲った、大津波を伴った大地震から8月1日で7か月になります。ここから、しばらく立て続けに大騒動が発生し、通年見られる年初のお祭り気分とは違った新年を日本人は過ごしたかと思います。

 

 多くの方が感じていると確信していますが、マスコミや政府がこの地震に対して、ほとんど関心を示していないかのように振る舞っているのは、かなり異様な光景であると言わざるを得ません。東日本大震災熊本地震と比較するとその差は歴然であるのは、例えば報道量においては、仮に資料を用いた緻密な検証を行わずイメージ論で語っても、間違いなくその印象は正しいものであると断言してもいいかと思います。

 

 震災当時のSNS世論にもとてつもなく違和感を抱いたのは、私だけではないでしょう。救助が遅いのは、半島であるため使用できる道路が限られているからだとか、緊急時にはボランティアは控えるべきだと日本に数多いる知的水準の高さを豪語する軍師様がありがたい提言をしてくれていたのは覚えています。その辺は正しいのかどうか判断できないので強い感じでそれに反論はできないのですが、発作的に起こる数々の炎上騒ぎにおいて強い不快感を感じたのは、れいわ新撰組の山本代表に対するものです。山本氏はいち早く現地に乗り込み、ボランティアに励んでいました。被災者の困難な状況を必ずしも全てくみ取ることは不可能ではあるでしょうが、被災地の惨状を肌感覚でいち早くつかみ、彼らに寄り添う姿勢を見せました(別にれいわ新選組のサポーターというわけではないのですが、彼らの活動のある部分には高い評価をしています)。ただその行動は確実に自身のアピールにつながるものなので、好意を持たない人たちの反感を買うのは当然ついてくるものです。そこまでは私も斟酌できるのですが、アンチ集団はあろうことか、被災者に出す炊き出しを山本氏が一緒に食べたことに対して、これはとんでもない非常識である、と彼ら自身の常識を疑わせる意味不明な難癖を付け、大炎上させることに成功させたのです。

 

 こんな自身の品性を疑うようなことを平気でするのは、恐らく愛国者を称する売国奴や扇動職人なのでしょうが、仮に彼らの絶対的指導者である故安倍晋三氏が同じことをしていたとしましょう。確実に彼らは、被災者が安倍氏と食事を共にし、歓談している様や、恐縮している様の写真をXなど各SNSで大量にのせて、「【全国民感涙】安倍さんの被災地に寄り添う姿勢が神過ぎる」みたいなポストや動画を作り、「安倍さんは炊き出しを一緒に食べながら、困っている人に親身に寄り添って、なんて素晴らしい人なんだ!」みたいな陳腐なコメントで溢れさすでしょう。

 

 彼らの扇動行為は、能登地方のボランティアを志願する人を委縮させた可能性も十分にありますし、何よりボランティアにおいても厳格なマナー講師的な存在の誕生は、災害大国の日本において確実に必要な互助精神をますます減衰させるものであると言わざるを得ません。

 

 思うにこれらの日本独特の炎上画は、数十年にわたるネット空間で、ある層の間で蓄積され、意図的に作り出す手法も確立されているのだと思います。私はこういう日本国民に対する扇動や、表層的な世論の形成は戦前からその手法の研究が行われ、敗戦後もそのノウハウは受け継がれて、現在も連綿と続いているのだと確信しています。

 

 私は、岸田首相がどこかに視察に言ったとか懇談を行ったとかのテレビ報道を見ると何か北朝鮮的な、作られた画を見ているような感覚を覚えます。北朝鮮と言えばその成立にスパイ養成機関である陸軍中野学校の卒業生が関わっているという、まことしやかな噂があります。真偽はさておき、北朝鮮がその統制手法を大日本帝国を参考にしているというのは十分に想像でき、私は日本と北朝鮮の類似を感じると、国家的な統制という暗い影がそこに付帯してきてしまうのです。

 

 国が国土を見捨て静観を決め込む中、表面上統制に慣らされた国民はのほほんと平常通りの生活を送っているように見えるかもしれません。しかし、被災者に対する同情は多くの方が持っているでしょう。国民の政府に対する不信は極限にまで高まっていると確信しています。


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