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精神科について思うこと

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 私は統合失調症と診断されていて、現在、精神薬を処方され社会復帰に向け奮闘しているところです。期間は結構長く、もう10年近く精神科にはお世話になっています。入院の経験まであり、また関連施設のお世話になったりして、その中で様々な人とコミュニケーションをとったり病院に対して腹立ったりしたので、その蓄積により精神科に対して、素人ながら一家言持っています。今日はそれについて軽くお話ししたいと思います。

 

 私は現在、レキサルティという薬を処方されています。この薬は部分作動薬と言われています。一般的に現在主流の統合失調所の薬は、その病気の原因のドパミンの過剰分泌をブロックするため、ドパミンの働きのバランスを整えるセロトニンを抑えることによって、ドパミンをブロックして特に?そう状態を抑える働きを持っています。

 

 しかしエビリファイやレキサルティといった精神薬は部分作動薬と区分され、素人のおおざっぱな解釈ではドパミンセロトニンの分泌のバランスを整えるという機能を持っている薬という点で他の統合失調症の薬とは違った特徴を持っているらしいです(ここの解釈が間違っていたら、これからの議論が成り立たないので、読者で詳しい方がいたらご指摘お願いします)。

 

 私は長年、公には精神障害者として生きていますが、未だに病識はありません。理由は述べませんが、この認識によって自分の精神薬に対する猜疑心は強く、常に自分にとって最も心身ともに副作用が少ない精神薬を追及する動機が産まれ、病気であるという制約下、自分の状態にぴったり合う薬を処方してもらう事を考えていました。

 

 精神薬で最初に処方されたのがオランザピンです。ただ、私はその薬の副作用を調べ、体重増加やそれが原因で糖尿病になったという経験談を聞き、即座にこれを飲みたくないなと思い飲みませんでした。そしてその後入院した際に、エビリファイを処方されましたが、医師に対する不信が最高潮だったので全く飲みませんでした。そして、リスパダールが少しの間処方されそれも飲まずに最終的にインヴェガの注射剤である、ゼプリオンを処方されることになりました。

 

 しばらくの間、最も強い量のゼプリオンを注入されていたのですが、自分の病識がないという感覚の故、幸せホルモンというセロトニンがブロックされているという感覚が強く残り、心理的な面からも鬱っぽくなり、本当に苦しくなることが多かったです。そのような経緯から、バランスを整えるという文面に惹かれ、レキサルティを強く望むようになり、主治医に依頼して変えてもらいました。この薬とジェイゾロフトにより大分、鬱っぽさがなくなり、ついに自分にとって最良の選択ができたと心理的に満足しています。これが私の経緯です。

 

 今までの経験の中で私が思ったことは、簡単にまとめると二つあります。

 

 まず、初診やそれからまだ日がたっていない段階で、まだ統合失調症かどうか診断できない段階でオランザピンを出すというのは、医師が患者の精神状態を落ち着かせたいう意図があっても、後々の患者の心理面(太りやすいという副作用に関して)の事を考慮して慎重に投与してほしいということです。また患者は、当然ネットで薬のことを調べるので、その副作用を見ると私みたいに飲むのを躊躇する(特に女性)可能性は高く、医者の思うような結果が期待できない結果につながりかねません。

 

 もう一つは、病識がない人にはバランスを整えるという文面から、レキサルティといった薬は魅力的であるのではないかということです。自分が統合失調症ではないという認識の方も多く、実際に属人的な職業である精神科医という職業で、早急に統合失調症であると診断して、リスペリドンやオランザピンをいきなり出されたら患者側にとってそれを飲むのは大きな抵抗があるでしょう。その点で患者に対し、あなたは鬱の可能性も考えられるから、ホルモンバランスを整えるという意味で、エビリファイやレキサルティを飲んでみましょうという提案は、患者を十分に治療に導くことができる力を持っていると思います。

 

 最後に私はこの零細ブログで精神科の診察に対してちょっとした提案をして締めたいと思います。

 

 「精神科医は、適切なコミュニケーションをとれる患者に対して、自分の所見を適切に伝える(私が、統合失調症であると知ったのは、一年近くたってからでした)。そして自分が現在処方を考えている精神薬の候補を複数挙げ、作用、副作用を誠実に提示し、患者側にその薬を選ぶ選択権を与える。」

 

 脳の病気は外科のような手先の技術ではなく患者とのコミュニケーションの蓄積が非常に大事だと思っています。それは、患者が自分の病気と向き合い、その治療に向かってともに前進していくという関係性の構築が、回復に向かう足掛かりとなるからです。


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