上の日経の記事は、バイデン政権下においての独占禁止法の厳格化がトランプ次期政権ではそれの緩和等の要因により、今後、M&Aが活発化するだろうという記事です。このうねりは日本にも来るだろうというのは、持ち合い株式の解消等を促す東証等の改革によって推察できるのではないでしょうか。実際、昨今の上場している大企業は持ち合い株式の売却による利益からの外資ファンドからの還元要求にもこたえる一方で、その原資を素に様々な企業買収の案件が投資銀行などから来ているのではないでしょうか?
当然、逆にTOBを仕掛けられる要因にもなり、持ち合い株式の売却により、より緊張感の持った経営を株主ひいてはステークホルダーは要求するでしょう。特に米国市場と比べると日本市場は割安であるので、この買収防衛策であった持ち合い株式の解消と併せると機は熟しているのではないかと思います。
しかし、日本の経営者もただ売った株式を自社株買いで終わらせて問題解決と安穏としているわけではないはずで、外資企業のM&Aを虎視眈々と様々な案件から練っているはずです。円安下ではありますが、我々を驚かす日系企業が主導する企業再編も出てくるでしょう。
ここまで書いてやんわりと思ったのですが、最近さまざまな大型の企業再編のニュースが出てきますが、これは市場は常に競争下に置かれ、株主から市場価値の最大化を求められているからで、ステークホルダーの大多数の消費者は外から批評するだけ、というのがちょっとした虚しさを感じます。当然、企業淘汰は必要なことなのでしょうが、その企業に愛着を持っている消費者は存在するはずで、自然現象のごとく企業名が変わって、株主のために限界まで利益を追求していくことが、本当に人生において楽しいことなのかなと思ってしまいます。
そういう心境が企業業績を停滞させ日本経済の凋落に結び付くのだ、と言われてしまえばそうなのかなという気もしますが、大規模な資産を持つ欧米ファンド、投資銀行が結構な程度、利益をかっさらって一番よい位置に存在するのは、何か違和感を感じます。投資は自己責任ですが、市場を自由に牛耳る外資系機関は日本人個人投資家が好む逆張りより格段に有利な存在です。結局、自由な市場がもたらすものが終わりのない競争と、人々を不幸にしかねないイノヴェーションで、そこから得た利益により富裕層が一番の恩恵をもたらすのだとしたら本当に市場の力を信仰することが正しいのか、一歩立ち止まって考えたくなります。
なんだか大学生が書く模範的なレポートみたいな結論になってしまいました。何か間違っていてもそういう学士さんが書いてるものだと思って大目に見てください(笑)