夏目漱石 作『道草』を読んで
『明暗』の前にこの作品があるのだなと思うと感慨深い。筆者自身の環境の変化(入院と退院)がこの批評に影響をもたらしてるのは多分にあるが、本作品中盤から、人物描写がさらに透徹していき小説家としてまた違うステージに立っているような気がする。この小説家としての技巧の変化は『明暗』に引き継がれていったのだなという淡い感想を抱いた。谷崎潤一郎は『明暗』を屁理屈を重ねたものだというような批判をしていたような覚えが...
View Article野次馬
多くの人が面白いと感じていても自分はそこまでだなぁと思うことはよくあるかと思います。でも何らかの組織に所属してその使命を全うするためにはその他大勢の感性に合わせるしかないことがしょっちゅうです。...
View Article地方創生に求められるコミュニケーション能力の委託
石破政権が注力したい政策として地方創生問題があります。ただ地方創生といっても、都市部から田園が拡がっている農村地帯の移住というのは簡単な決心で行うと、往々にして長く定住していた現地の人々と軋轢を起こしてしまうケースが多く、場合によっては村八分にされるという事例もあります。...
View Articleいろいろ最近の雑感
大衆の耳目を集める刑事事件、スキャンダルにおいてマスコミやインフルエンサーはストーリー性を付けたがりますが、どうにも腑に落ちないことがあります。今日、Xを見ていて私が疑問をもったのが、クルド人ヘイトに関してです。そこでは大衆の憎悪を煽ってやろうという文言が大量に集まります。そこには巧妙に多くの人の正義心を煽る際のレトリックが用いられています。...
View Articleどうでもいい雑感
つけ麺が好きです。ただつけ麺とラーメンとの優劣をどう説明したらいいのかわからかったのですが大体、自己満足できる理由が分かったような気がします。 理由をいうと、うま味をそのまま食っているかのような感覚に浸れるからだと思いました。そこから思いを巡らすと、俺ってざるそばも好きやったな、とますますこの持論を支持させるような例が思いうかぶのです。...
View Articleコメ高騰において雑なメモ
コメ先物取引の推進者として小さきながらもコメ先物の復活の声を発信していたが、昨今のコメ価格高騰の原因が先物取引が一因であるとの説がでていて懸念が現実になったなと思う。 個人的にはそのリスク解消のためにコメ備蓄を増やすべきだと言っていたがコメ備蓄の放出によって価格は低下するのだろうか?...
View Article新書を選ぶ際…
新書の著者の区分を分けるとジャーナリストか学者に2分するかと思いますが、学者が著した作品の方が私は好みです。 ジャーナリストの作品は文学臭いところが出てくると思ってます。それを新聞で読むのはいいのですが、新書だとどうしても学者の書いた作品と比較してしまうのでジャーナリストのそれは脚色が多分にあるなというのが見て取れてしまいます。...
View Article桜井久勝 著『財務諸表分析 第8版』を読んで
日本経済新聞は独自記事として企業統合をスクープすることがあるが、稀に誤報になってしまうことがある。それが原因でネットにおいて経済に弱い経済新聞と嘲る風潮があるが、あくまでスクープの裏付けが乏しかったためであり、普段の経済記事から有用な知識を得られることは大いにある。そんな日経をよく理解して読めるようになると経済動向もある程度流れがわかるようになし、さらに経済だけに関わらず、世の中がどの方向に向かって...
View Article石破総理の試練
www.nikkei.com この三氏の会合には懐かしいものを感じます。岸田氏が首相の時は三頭政治と言われていましたが、とにかくこの三氏の会合の後は何かしら動きがあったものだな、とちょっと前の記憶を辿ってみると、嫌な過去だったなと暗たんな気分にさいなまれます。 そう思っていると、石破氏に対するスキャンダルが現れました。www.nikkei.com...
View Article高岡 裕之 著『総力戦体制と「福祉国家」 増補 戦時期日本の「社会改革」構想』を読んで
内容が濃いのでぱっと読んだだけの私では上手くまとめられない。ただ戦中期の国家の政策形成の一端を垣間みれたことは現代の政策形成とは大きな差違があるのだろうなという推量、さらにある程度の確信が得られたのは良かった。以下、現代と異なる点を代表的に3点、指摘したい。まず大日本帝国の政策思想の根底に「民族」の繁栄が金科玉条としてあり、その対となる多様性、グローバリズムという視点を政策に組み込むことが当たり前の...
View Article